Lesson2-2 ②様々なガーデニングデザイン

 

ウォーターガーデン

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水面に映る花の風情と涼しげな水が癒しを運んでくれます。夏期のものとしてのイメージの強いウォーターガーデンですが、四季折々の植物を周囲にあしらい、水面に映る景色を楽しむのもまた、情趣があって良いものです。

水性植物を利用するガーデニングは一見難しいようにも見えますが、庭や広々した空間がなくても、鉢などを活用すれば簡単にウォーターガーデンを作ることができます。また、手入れが簡単なのもウォーターガーデンの特徴です。

たとえば、一般にウォーターガーデンには”頻繁に水を入れ替えるのが面倒”というイメージがありますが、水中の植物が呼吸をしてくれることで、さほど汚れることはありません。さらに、ほとんどの水性植物は肥料を必要としないため、植え替えにいたっても特にする必要はないのです。

ウォーターガーデニングの実践ポイントはまず、水性植物の種類について知る必要があります。水性植物の種類は次の5つに分類されます

①湿生植物_水辺・湿地・湿原などに生育する植物
(ミズバショウやワスレナグザなど)
②抽水植物_根は水底の土中で、茎葉が水面から顔を出し、水深の浅い水中に生育する植物
(ガマやミズカンナなど)
③浮葉植物_土に根を張り、茎葉を伸ばし、葉が水面に浮んでいる植物
(スイレンやウォーターポピーなど)
④浮遊植物_土に根を張らず、水中や水面を浮遊している植物
(ホテイアオイやウキクサ)
⑤沈水植物_植物体全体が水中にある植物
(マツモやフサモなど)

実践ポイント

ポット苗の場合、8(田土):2(腐葉土)の割合の用土で、ひと回り大きな鉢に植え変えるのが基本です。鉢の材質はプラスチックでも駄温鉢でも可。

  • 水深を必要としない湿生植物と抽水植物は、安定した深鉢に植え替え、乾燥させないよう水をひたひたに入れてあげます。また、鉢の深さの1/3~1/2程度が水に浸かる受け皿に置くだけの腰水栽培でも育てられます。
  • 水深が必要な浮葉植物は、平鉢に植え替えて水に沈め、葉が水面に浮くようにブロックなどで高さを調節します。
  • メダカや金魚を一緒に飼育すれば、蚊やボウフラなどの防虫対策になります。

 

キッチンガーデン

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観賞と収穫の目的を兼ねる実用的なガーデンデザインです。ハーブや野菜などの作物を中心に彩るキッチンガーデンの歴史は、中世ヨーロッパの修道院に遡ります。当時、医薬が未発達だった時代に、病気や傷を癒すハーブなどを植えられたことが始まりと言われています。

キッチンガーデンは、ハーブをはじめ、野菜、ベリーの3つの要素で構成するのが基本。単純に食用として育てたい物を選ぶのではなく、観賞としての目的を表現するために、葉や実の色味がきれいなものを選ぶことで、ガーデニングデザインとしての意味を成します。

例えば、白い花を咲かせるローズマリーや紫の花を咲かせるタイムなどのハーブは、花と香りが楽しめます。そこに、ほうれんそうやルッコラなどで新鮮な緑を添え、赤い実のなるラズベリーでアクセントを加える。眺めて美しい、食べて美味しいガーデンニングの完成です。

実践ポイント

  • ほとんどの野菜やハーブは日当りの良い場所を好むため、日照時間が4時間未満の環境では病害虫対策やこまめな手入れが必要。
  • 大きく新鮮な作物に育てるために毎朝植物の状態を観察し、土が乾いていたり、葉が萎れていたら水分補給を行う。
  • マメ科の植物を植えることで、土中にすむバクテリアや根粒菌がつき、自然の力で肥料を精製し肥えた土ができます。
  • 2種類以上の植物を混植して、互いの成長に良い影響を与える組み合わせをコンパニオンプランツと呼び、病害虫を抑えたり生育を促進する効果が期待できます。

コンパニオンプランツの組み合わせ例

  • トマト×ニラ_トマトのかかりやすい病気、萎凋病(いちょうびょう)の防除
  • シュンギク×コマツナ_モンシロチョウの飛来やイモムシを防除
  • カモミール×さまざまな植物_多数の病害虫を防除
  • ニンニク×イチゴ_多数の病害虫を防除