Lesson11-2 多年草・宿根草

多年草は、発芽、開花、結実のあとも枯死せず、複数年に亘って、毎年花を咲かせる植物の総称を言います。しかし、原産地で多年草として扱われていても、日本の気候に合わない植物は冬に枯れてしまうため、一年草として扱われることもあります。

宿根草は、冬になると地上部の一部が枯れるが、根茎は地下部で休眠し、翌春ふたたび根茎から発芽、結実を繰り返します。多年草と一纏めにされることがありますが、厳密には生育期が終わると地上部が枯れてしまうものを宿根草と区別されています。

※同じ植物でも、一年草の品種と宿根草の品種に属するものなどもあります。(例:パンジーは、一年草でありながら、多年草の性質も持っている。)栽培する地域や気候によっても異なるため、一年草、二年草、多年草、宿根草といった植生の分類は、1つの目安として考えましょう。

下記では、多年草と宿根草を一纏めに、人気の花とその育て方についてご紹介していきます。

クリスマスローズ

花が少なくなる冬の時期に咲く、女性らしい清楚な姿が楽しめます。

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別名/ヘラボラス、レンテンローズ
草丈/20~50cm
花径/2~8cm
開花期/1~3月

POINT:鉢植えの場合は、水はけのよい土に植え付け、春から夏は軒下など、雨の当たらない場所に移動させて過湿を避ける。庭植えでは、少し湿気のある半日陰に植え付けましょう。

ゼラニウム

窓辺を飾る鉢花として、世界中で親しまれている花です。ひと鉢あるだけで空間を明るく演出してくれます。一年中楽しめるのも魅力。

ゼラニウム

別名/テンジクアオイ
草丈/20~100cm
花径/1~8cm
開花期/3~12月

POINT:過湿を嫌うので、水はけのよい鉢と土の配合をする。日当りと風通しの良い場所に植え付けましょう。

アイリス

アイリスの仲間には様々な種類があり、これらもまた世界中で親しまれています。写真のアイリスは、花びらの付け根の黄色地に編目が入っているのが特徴的な”アヤメ”です。

アヤメ

別名/アヤメ、ショウブ、ハナショウブ、カキツバタ、シャガ
草丈/5~150cm
花径/2~20cm
開花期/4~6月

POINT:アイリスは種類によって育て方が異なりますが、写真のアヤメは過湿を嫌うため、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。

スミレ

早春、道端で見かけることの多い、春を告げる宿根草。その可憐な姿からガーデニングでも人気があります。

すみれ

草丈/7~20cm
花径/1~2.5cm
開花期/3~5月

POINT:スミレは根を深く張るため鉢は深めの形を選び、水はけのよい土に植えます。

ユリオプスデージー

明るい黄色と銀色がかった葉が特徴。長期間咲かせてくれるのも魅力。

ユリオプスデージー

草丈/30~400cm
花径/1~4cm
開花期/10~5月

POINT:とにかく湿気を嫌うため過湿にはくれぐれも注意。土には腐葉土や川砂を2割程混ぜ、水はけがよく乾燥ぎみで管理します。梅雨や長雨のときは軒下に移動させて、雨に当てないようにしましょう。

ケマンソウ

ハート形の小さな花が茎に連なる可愛らしい姿が特徴。日陰が好きな宿根草。

ケマンソウ

別名/タイリツソウ
草丈/30~80cm
花径/1~2cm
開花期/5月

POINT:西日などの強い日差しや乾燥が苦手なため、やや湿った土で湿りけのある半日陰で育てます。夏期は強い日差しと乾燥を避けたいので、コンテナに移植するなど対策しましょう。

ダイアンサス

秋の七草のひとつで、別名ナデシコ(撫子)と呼ばれることからもわかるように、日本女性の代名詞にも使われるほど、日本ではなじみの深い風情ある花。

ダイアンサス

別名/ナデシコ、セキチク
草丈/10~60cm
花径/1~3cm
開花期/3~12月

POINT:生育旺盛で、根が回りやすく蒸れやすい植物なので、鉢植えの際は苗よりも二回り大きな鉢を選び、水はけのよい土に植え付ける。生長が進み、葉が密集すると株元への日当りが悪くなるので、花後は切り戻しをして風通しをよくしてあげましょう。

ブルースター

空色の星のような形をした花びらが特徴。ほかにピンクや白などの品種も流通し、ガーデニングはもとより、切り花として楽しまれることも多い。

ブルースター

別名/オキシペタラム、トウィーディア
草丈/30~100cm
花径/3~4cm
開花期/7~9月

POINT:日当たりがよく適度に保水性のある土で育てます。気温5°を下回ると弱ってしまうため、晩秋から冬にかけては室内の明るい窓辺で育てましょう。

キキョウ

秋の七草のひとつで、品種によっては白色のほか、青紫やピンク色の花をつけるもの、二重咲きになるもの、鉢植え向きの草丈の低いものなどもある。絶滅危惧種でもある。

キキョウ

草丈/40~100cm
花径/3~5cm
開花期/6~9月

POINT:日当りと風通しのよい場所を好むので、日陰を避けて育てます。また弱酸性の土を好むため、リン酸とカリウムが多めの緩効性化成肥料を施すとよく育ちます。

ルリタマアザミ

草丈が1m以上にもなり、トゲをまとったボールのようなユニークな姿が特徴。切り花やドライフラワーとしても楽しめます。

ルリタマアザミ

草丈/70~100cm
花径/4~5cm
開花期/7~9月

POINT:寒さや暑さに強いものの、日陰や過湿の環境では生育が悪くなります。常に日当りのよい場所を選び、アルカリ性の土に乾燥ぎみで育てます。また、草丈が高いので、鉢で栽培する際は深めの鉢を選びましょう。

ラベンダー

鮮やかな紫の花を咲かせ、清々しい香りを漂わせる芳香植物の代表種。古代ローマ時代には、殺菌や鎮痛効果が得られることで親しまれていました。

ラベンダー

草丈/30~100cm
花穂長/3~10cm
開花期/4~7月(四季咲き性の品種もある)

POINT:品種に関わらず、日当りのよい場所でやや乾燥ぎみに育てます。ほとんどの品種は、寒さに強いので冬越しにおける心配はいりませんが、夏の高温多湿には弱いため、鉢植えの場合は涼しい場所に移動、庭植えの場合は間引きをして風通しをよくしてあげましょう。

カーネーション

母の日の花としておなじみの花。鉢植え向きの草丈がさほど高くならないポットカーネーションや花壇向きの丈夫なガーデンカーネーションなどの品種があります。

カーネーション

別名/オランダセキチク
草丈/30~100cm
花径/3~10cm
開花期/4~6月、9~10月

POINT:過湿、低温、直射日光などを嫌うデリケートな花なので、季節ごとのこまやかな管理が求められます。手軽に移動できる鉢植えで育てるのがよいでしょう。