小学生の頃、初めて育てた植物が球根植物だったという人も多いのではないでしょうか。ヒアシンスの水栽培やチューリップやユリ、ダリア、カンナなど、幼い頃からなじみの深い植物のほとんどが球根植物です。
球根植物には、真冬や真夏など、他の分類では花が少なくなる時期に開花するものが多いのが魅力です。根、茎、葉が肥大した球根には、短期間で開花と結実が迎えられるように養分が蓄積されています。つまり、栽培は初心者でも比較的に楽にできるのです。しかし、養分を蓄えている分病害虫の格好の餌食ともなりますから、清潔で快適な環境作りと殺虫対策が大切です。
店頭で球根を購入する場合は、たくさん養分が貯蔵されているかどうかを大きさや重さで判断しましょう。
チューリップ
子どもから大人まで誰もが知っている、春を代表する花。さまざまな品種があり、それぞれ花色やフォルムが異なり、表情豊かな姿を楽しませてくれます。現在、日本に流通しているもののほとんどがオランダの球根で、質・量ともに世界一といわれています。
草丈/20~70cm
花径/5~12cm
植え付け/10~12月
開花期/3~5月
POINT:堆肥を施し、よく耕した土に、球根３個分の深さに球根を植え付けます。植え付け後はたっぷり水やりをし、花後は水で薄めた液体肥料を一度与えましょう。※葉が半分以上枯れている場合には、球根を掘り上げましょう。
ユリ
純白の大輪の花を咲かせるユリは、エレガントで品格ある姿が特徴で、古くから多くの人に親しまれてきました。北半球のアジアをはじめ、ヨーロッパ、北アメリカなど広範囲にかけて約100種が自生しており、品種は130種にものぼります。日本では15種が自生し、有名なテッポウユリやヤマユリを含む7種が日本固有種です。
草丈/30~180cm
花径/10~30cm
植え付け/10月
開花期/5~8月
POINT:ユリは草丈が長くなるので、根が土にしっかりと回るよう深植えすることが重要。目安として球根5個分の深さに植え付ける。春の生長期は、水やりをこまめに行い、生長すると背が高くなるので支柱をする。
ヒヤシンス
甘く強い香りが、春の訪れを感じさせるヒヤシンス。写真の白色のほかに、ピンクや青紫の花びらをつけるもの、八重咲きタイプのものなどもあります。
草丈/20~30cm
花径/2~3cm
植え付け/10~11月
開花期/3~5月
POINT:ヒヤシンスは10~11月に、水はけのよい土に植え付け、低い気温で一定期間過ごさせることで翌春元気に開花します。植え付け場所は日当りのよいところを選びましょう。
スイセン
スイセンのほのかな甘い香りは、天然香料として香水に使われています。形、色、咲き方などのバリエーションが豊富で、毎年異なる品種を楽しむのも醍醐味。
草丈/12~50cm
花径/2~11cm
植え付け/10~11月
開花期/3~5月
POINT:水はけと日当りのよい場所（夏の強い日差しは避けたいので、落葉樹の下などが望ましい。）を整えれば、比較的簡単に育れられます。
ダリア
可憐で女性らしい姿からは想像つかないほど、生命力が強くて、カラーも豊富なため、切り花や花束、ブーケなどによく用いられます。
別名/テンジクボタン
草丈/30~200cm
花径/2~30cm
植え付け/4~6月
開花期/7~11月
POINT:あらかじめ肥料を施した土に植え付け、日当りと風通しのよい場所で育てれば確実に育ちます。球根から数本芽が出ますが、大輪種を1つ、中小輪種を2つほど残し、他の芽は地際から摘み取ると、勢いよく立派な花を咲かせます。
アネモネ
凛とした花を咲かせるアネモネは、地中海原産の球根性の植物で、ギリシャ神話に登場するほど、古い歴史を持ちます。
別名/ボタンイチゲ、ハナイチゲ、ベニバナオキナグサ
草丈/5~40cm
花径/6~10cm
植え付け/10~11月
開花期/3~6月
POINT:球根の植え付けは、発根部（尖ったほう）を下にして植え付けます。日当たりと水はけのよい場所なら比較的よく開花します。
フリージア
白、黄、赤、紫、ピンク、オレンジなど、カラフルでかわいらしい花びらを咲かせます。白と黄は切り花としても多く用いられますが、その他の色は病気に弱く、切り花生産が難しいため、あまり流通しない。
別名/アヤメスイセン、ショウブスイセン、アサギスイセン、コウセツラン、コアヤメズイセン
草丈/20~50cm
花径/2~5cm
植え付け/9~10月
開花期/2~4月
POINT:冬の間、十分に日の光に当ててあげると球根が養分をたくさん蓄えるため、特に肥料を与えなくても育ちやすくなる。水の与えすぎは軟弱になるため注意。
クロッカス
生命力が強く、植えっぱなしでも毎年花を咲かせてくれるので初心者でも育てやすい。
別名/ハナサフラン、ハルサフラン
草丈/10~20cm
花径/3~5cm
植え付け/10~11月
開花期/2~4月
POINT:日当たりと水はけの良いところであれば、植えっぱなしでも丈夫に育ってくれます。ただし、開花後の水やりで花びらに水がかかると溶ける様に縮んで萎れてしまうので注意。