Lesson6-2 株分けと分球

株分け

株分けとは、親株を手やハサミで切り離して、新しい株を作る行為をいいます。毎年花を咲かせる”宿根草”をもっとも簡単に殖やすのに向いている方法です。株分けの適期は、植物の植え替えと同時期くらいの春(3月〜5月)か秋(9月)頃になります。また、春咲きの植物は秋に、秋咲きの植物は春に株分けすると良いでしょう。

株分けの方法

  1. 根を傷めないよう株を鉢や地面から取り出す
  2. 根鉢を軽くほぐし、根と茎の分量ができるだけ同じ割合になるよう手で分けます(※自然に分けられない場合は無理に切り離そうとせず、ハサミで切り分けましょう)
  3. 分けた株をほぐし、伸びすぎてる根や傷んだ根は切り落とす(※乾きを弱いためできるだけ手早く行いましょう)
  4. ひとまわりほど大きな鉢に、根を広げるようにして入れる
  5. 植え付ける高さを調節しながら、市販の培養土を足して、手で軽く押し固める(※ウォータースペースの確保を忘れずに)
  6. 鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりをする
  7. 植え付け後、2~3日を半日陰で管理し、根が安定してきたら日当りの良い場所に移動させましょう

分球

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分球とは、球根を分離して殖やす方法です。分球する球根を掘り上げるタイミングは、地上部(葉や茎)が3分の2ほど枯れた頃で、まだ少し緑がかっている部分が見られるものを掘り上げるのがポイントです。

しかし、中には掘り上げなくてもよい球根もあります。たとえば、クロッカスは2~3年、スイセンやムスカリなどは7~8年植えっぱなしにしていても弱らず、花を咲かせてくれます。したがって、すべての球根を掘りあげなければならないというわけではないのです。このように品種によって掘り上げる必要のないものもあるということも覚えておきましょう。

また、分球には”自然分球”と”切断分球”の2つの方法があります。

  • 自然分球で殖やす
    球根には、チューリップやヒヤシンス、スイセン、クロッカスなど、土中で自然に子球するものがあります。これらを掘り起こし、手で割り分けて分球します。大きくて重さのある充実した子球のみを使用し、植え付け適期に植え付けます。
  • 切断分球で殖やす
    掘り起こした球根を、充実した芽がついている部分を1球として、ナイフで切り分けて分球し、植え付け適期に植え付ける方法です。大きく育った球根はそのままにするよりも、分離して植え直した方が球根が刺激を受け、生長しやすくなります。切断分球で増やせる植物には、カラー、カンナ、ラナンキュラスなどがあります。

球根の保存方法

分球した球根が植え付け適期を迎えるまでの間は、球根を清潔に保存する必要があります。保存方法は、”乾燥保存”と”湿潤保存”の2つがあり、球根植物の種類によってどちらに属するかが変わってきます。

 球根の種類  保存方法



春植え球根:グラジオラス
秋植え球根:チューリップ・ヒヤシンス、クロッカス・ムスカリ、スイセン
水洗いをしたあと、新聞紙を広げて、重ならないように球根を並べて
陰干しするか、茎や葉を束ねて、直射日光の当たらない場所に吊るす
などして乾かす。その後ネット袋に入れて、風通しのよい日陰に吊るすか置いて保存します。
湿


春植え球根:ダリア・カンナ、アマリリス・カラー
秋植え球根:ユリ
土を落とした後、球根用の消毒剤に浸して消毒し、乾燥させる。その後空気穴を開けたビニール袋にバーミキュライトなどに入れ、 その中で保存する