上手に植物を育てるためには、毎日の世話がなにより大切です。ここでは、植物の健やかな生長を導くための基本となる正しい日常管理と工夫を学習していきます。
水やり

水やりの基本は、「土が乾いたら与える」です。用土の表面を触って、湿り気がなくなったときが水やりのタイミングです。また、毎日決まった時間に与えるというのも、植物に過度なストレスをかけず、健やかに生長させるポイントです。
花壇への水やりは、土が流れない程度の勢いで、株間や葉にかけ与えます。熱さや乾燥で葉がしおれている場合も水やりが必要。コンテナの水やりは、株元に注ぎ、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。根腐れを防ぐため、受け皿に溜まった水は捨てましょう。
除草

園芸植物の生長期にあたる春や秋には、雑草もまた生長します。雑草は景観を損ねるだけでなく、土壌中の栄養分を横取りするので、気づいたらすぐ除草するようにします。
最近は、土中に深く根を張るタイプの雑草をきれいに抜き取れる便利なグッズなども市販されていますが、春先のまだ小さいうちに抜き取るなど、こまめに除草作業を行うことが、結果的に作業の手間を省くことにつながります。除草剤や防草シートなどを施し、雑草の発生を最小限に抑える対策も行いましょう。
支柱立て

支柱とは、植物を支える棒のことをいいます。風や植物の重みによって倒れたり折れたりするのを防ぐために、植物の茎を麻紐やビニール紐で結んで支えます。特に、ダリアやヒマワリなど、背の高い植物に仕立てます。
茎は生長して太くなるので、支柱に結びつけるときは、茎側の紐にゆとりを持たせ、8の字を描くように紐を交差させて、支柱側の紐をきっちり結びます。また、後から支柱を差すと根を傷つけるため、植え付けのときに立てておくのがポイントです。
つるの誘引

誘引とは、つる植物の茎や枝をトレリスや支柱などに導く園芸作業のことをいいます。人工的に誘導してあげることで、美しい樹形に仕立てたり、夏の強い日差しをやわらげる日よけ効果もあります。
例えば、トマトやナスなど大きな実を付けるものを誘引するには、支柱と麻紐やビニール紐を用意します。苗を植え付けたときに、茎との間隔を少しあけるようにして支柱を立て、紐で茎と支柱を結びます。生長に合わせて、度々誘引を繰り返し、茎が上に伸びるよう誘導してあげます。茎の太い植物を結ぶ場合は、紐の変わりにワイヤーなど頑丈なものを使うと、より安定します。
アサガオやモッコウバラなどつる性の植物を誘引するには、支柱・トレリス・ネットなどに、つるが伸びてきたタイミングで誘引します。つるが右方向に巻く習性を持つアサガオは、特に注意が必要です。