Lesson8-2 ベランダでの育て方

ベランダでの育て方

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ベランダガーデニング向きの土の作り方

土は植物が健やかに生長するのに必要な水分や養分を蓄える大切なものです。水はけや通気性、保水性、保肥性など、それぞれの植物が好む土作りが必要であることは、一般と同じですが、ベランダガーデニングは、それに加えて”軽量”であることが求められます。

土作りのポイントは、市販の培養土にバームキュライトやピートモスなど、軽くて保水性に富んだ土を混合して作るとよいでしょう。また、コンテナの数が少ない場合には、基本用土や肥料を一つずつ購入するより、最初から配合されてある培養土を使用したほうが便利です。

管理と手入れ

  • 水やりはこまめに行う

都会のマンションほど風当たりが強く、土が乾きやすいので、庭以上にこまめな水やりが必要です。もっとも難しいのが夏期です。気温の上昇によって、水分が急速に蒸発して枯れたり、蒸れて根腐れを起こすこともあるので、注意が必要です。

特にコンクリート素材のベランダは、日が当たると照り返しがきつく、熱を吸収した地面より温度が上昇するため、水やりだけでなく、床に打ち水をしたり、ウッドデッキを敷いて緩和させるなどの対策が必要です。

その他、保水性のあるコンテナや水ゴケで保湿効果を高めるなどの対策もありますが、ベランダの条件によって調整を施す必要があります。

  • 追肥は回数を多くする

ベランダでの水やりは、庭に比べて回数が多くなります。すると、水やりのたびに流れるコンテナ内の肥料は、通常より減少が早くなるため、追肥の回数を多くする必要があります。そのため、常に適量の肥料が保てるように気配りが大切です。

また、近隣への配慮として、においが強い有機肥料ではなく、化成肥料を多く使用するよう心がけましょう。

  • 風通しをよくして病害虫を予防する

そもそもベランダは風通しがよく、病害虫が発生しにくいですが、狭いスペースにあれもこれもコンテナを並べると通気が悪くなり、病害虫の原因になります。

病害虫の予防には、コンテナ同士の間隔を十分に取る、ハンギングを使用して空間を上手に使うなどするとよいでしょう。

方位別の日当りと植物の管理

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東向き

東向きのベランダは、朝に日の光が入り、午後になるとだんだん日が落ちる特徴があります。

東向きは、日なたを好む植物も日陰を好む植物も比較的育てやすいです。日差しがやわらかく、さほど乾燥を気にする必要もないため、コンテナの素材は何でもOK、水やりは午前中に行うという基本さえ守っておけば問題ありません。

おすすめの植物は、やわらかい日の光を好むユリ、シラーなど。

西向き

西向きのベランダの特徴は、東向きの反対と考えれば簡単です。午前は日が入らず、午後になると日の光が差し込みます。

冬は午後の長い時間、日の光が当たるが、冬以外は日陰の割合が多いベランダもあるため、日照不足になることがある。また、夏は西日が強烈のため、一般的な土の配合では蒸れて根腐れを起こしやすくなるので、通気性に長けた土作りや遮光対策が必要です。水やりはなるべく早朝に済ませ、土の表面が乾燥するようなら、日没後にもう一度与えればよいでしょう。

おすすめの植物は、耐寒性のあるユリプレオスデージー、クリサンセマム・パルドムス、プリムラジュリアンなど。

南向き

南向きのベランダは日の当たる時間が最も長いです。東側から昇る日の光が入り、西に沈む日の光が入るので、長い時間太陽の光が差し込みます。

植物の生育に最も適した方位といえます。基本は、日なたを好む植物を選べば間違いないですが、夏は日差しが強くなるので、葉焼け防止に遮光対策が必要になることもあります。たっぷりと日の光が注がれる分、保水性のある土作りで、元気な植物に育てましょう。

おすすめの植物は、熱さにも乾燥にも強いペチュニア、ニチニチソウなど。

北向き

北向きのベランダは日当りはもっとも日当りが悪いのが特徴。

そのため、日陰や半日陰を好む植物を選ぶと良いでしょう。特に冬は北風が強く、乾燥しやすいので、乾燥と耐寒性に強い植物が◎。ただし、なるべく冬の間はコンテナを室内に取り込む、樹木が大きい植物にはトレリスなどで北風を防ぐ、コンテナの下にウッドデッキを敷いて地面の冷気が直に伝わらないようにするなどの対策はしておきたいです。

おすすめの植物は、日陰を好むインパチェンス、ユキワリソウ、シロタエギク、ヘリクリサムなど。