ハンギングとは、壁面やフェンス、門扉、窓際などにコンテナを吊ったり、掛けたりする飾り方で、コンテナガーデンの一つの手法です。
人の目線がいきやすい場所に飾るので、床置きのコンテナとはまた違った表情を見せてくれます。また、庭がない場合や狭い場所など、十分なスペースがない場合でも活用できます。
ハンギングには、フックを利用して門扉などに”吊るすタイプ“と、フェンスなどに掛ける”壁掛けタイプ“に大別されます。また、コンテナの形や素材などの種類も豊富にありますので、代表的なものを見ていきましょう。
ハンギング用のコンテナの形と素材
吊るすタイプ

- ハンギングバスケット_スチール製のワイヤーバスケットとヤシガラマットのセットになったボウル型のコンテナ。インナー素材は、ヤシガラマット以外に古紙やウレタンがある。いずれの素材も乾燥しやすいため、こまめに水やりが必要。
- ハンギングポット_丸型のテラコッタポットにチェーンがついたコンテナ。素材は、素焼きやプラスチックがある。プラスチック製は乾燥しにくく、初心者にも扱いやすい。
壁掛けタイプ

- ウォールバスケット_スチール製のワイヤーバスケットとヤシガラマットのセットになった半球型のコンテナ。インナー素材は、ヤシガラマット以外に古紙やウレタンがある。いずれの素材も乾燥しやすいため、こまめに水やりが必要。
- ウォールポット_壁や柵などに取りつけやすいように片面が平らになっているコンテナ。素材は、素焼きやプラスチックがある。プラスチック製は乾燥しにくく、初心者にも扱いやすい。
その他、飾る場所に応じてフック類を準備します。ネジが使えない場所には、フック付のスタンドを利用するとよいでしょう。
ハンギングのメリット・デメリット
メリット
- 狭い場所でも、空間を利用して花飾りを楽しめる
- 草花を目線の高さで楽しめるため、装飾効果が高い
- 適所に移動が可能(日当りのよい場所や雨風を避けたいときに)
- 根腐れしにくい(風通しがよいため)
デメリット
- 乾燥しやすいため、こまめに水やりが必要
- 強風時には落下の危険性がある
ハンギングの作り方
ハンギング向きの土の作り方
ハンギングで気をつけたいことの一つに”重量”があります。大きなバスケットになるほど、苗の数、土の量も増え重量が増すため、土は軽いものを選ぶのが基本。また、床置きと違って風通しがよく乾燥しやすいため、通気性と保水性を持つ土であることもポイントです。
例えば、
A:赤玉土(中粒)5、腐葉土3、ピートモス2を混合し、元肥として緩効性肥料を加える。
B:市販の培養土6、ピートモス2、バーミキュライト2を混合。培養土に元肥が入っていなければ、緩効性肥料を加える。
管理と手入れ
ハンギングには、床置きとの大きな違いとして、乾燥しやすいというデメリットがあるため、長持ちさせるために適切な管理が必要となります。
水やり・肥料
水やりは、基本的には床置きと同じく土が乾いたらするのですが、ハンギングの場合、十分に保水させるため、全体にたっぷりと水がいきわたるように与えることがポイントです。ハンキング用の肥料は、”置き肥”を使用し、水やりのたびにゆっくり効かせるか、”液肥”を薄めたものを直接花や葉にかからないようにしてやります。
乾燥予防
予防策のひとつに、土の表面を水ごけやバークチップで覆う”マルチング”という方法があります。保湿効果に優れる上、外気の寒さから守ったり、病害虫の発生を防ぐ効果があります。
使い方はいずれも簡単で、水ゴケは乾燥した状態で売られているため、水に浸して戻したら軽く絞り、土の表面を覆います。バークチップはただ土の表面を覆うように置くだけです。
ハンギング向きの植物
ハンギングバスケットに向く植物は、茂りやすく、バスケットを覆い隠すような、葉が横に広がる植物や下に垂れる植物など、草丈が高くならないものが向いています。また、乾燥に強いというのも大事なポイントです。
比較的育てやすい植物にゼラニウム、アイビー、パンジー、ビオラ、ペチュニア、インパチェンス、ベゴニアなどがあります。