Lesson7-3 寄せ植えの作り方

園芸用語で寄せ植えとは、一つのコンテナに複数の植物を植え付けることをいいます。好みや季節の草花を贅沢にあしらった寄せ植えがひとつあるだけで、庭、玄関、ベランダを華やかに演出できます。寄せ植えを楽しめる期間は、植物の生育の性質によって1~3ヵ月と幅があります。長く楽しむために同種の植物だけでまとめるのもいいですが、その季節ならではの植物を使って、春夏秋冬を楽しむのも寄せ植えの魅力です

ここでは、その寄せ植えを美しく仕上げるための作り方を学習していきます。

寄せ植えの基本道具

・自作の土、または市販の培養土(元肥が入っていない場合、緩効性肥料も用意)
・コンテナ(口径の広いロープランターがおすすめ)
・鉢底石(水はけをよくするため)
・鉢底ネット(底穴をふさぐため)
・移植ゴテ
・ジョウロ
・ハサミ(剪定や花がら摘みのため)
・グローブ(ケガ防止と、土で手を荒らさないため)
・エプロン(ケガ防止と、衣服の汚れ防止のため)

 

寄せ植えの作り方

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STEP1, 主役の植物を選定

寄せ植えづくりの第一歩は、主役の植物を選ぶこと。選び方に決まりはなく、自分好みのものやその季節ならではのものなど、好きなものを選びましょう。仮に、その植物に、華やかさやボリュームが足りなくても、主役に合わせる植物で引き立ててあげればよいので、難しく考える必要はありません。

STEP2, テーマを決める

主役の植物が決まると、つくりたい寄せ植えのイメージがしやすくなります。STEP2では、コンテナを飾る場所や楽しみ方に合わせて、つくりたい寄せ植えのテーマを決めていきます。

例えば、部屋から見たベランダの眺めを華やかにしたいなら、イエロー・オレンジ・ホワイトなどの明るい色でまとめた”ポップ”をテーマに。室内を緑のある安らぐ空間にしたいなら、全体をグリーンでまとめ、主張の強くない花色の小さな花をあしらった”ナチュラル”をテーマに。玄関前を豪華に印象づけたいなら、八重咲き種やフリルの入ったボリュームある植物を使った”エレガント”をテーマにするなどがあります。

STEP3, デザインを決める

テーマが決まったら、バランスよく植え付けるために下記2つの基本デザインを基に、主役の植物を引き立てるよう植物の高低差を意識してアレンジを施していきます

  • ドーム型
    コンテナの中心に草丈の高いものを植え込み、その周りに中位の植物を対角線上に配置、空いているところに低い植物を配置すると、きれいなドーム状になります。
  • 花壇型
    コンテナを正面から見て、後ろに草丈の高いものを、手前に向かってだんだん低い植物を配置します。コンテナを花壇に見立てて、正面から見た印象を大切にするデザイン。

STEP4, 主役を引き立てる植物を選ぶ

STEP1で選んだ主役の植物の華やかさやボリュームを補う植物を選びます。4つのポイントを参考に選びましょう。

①花色は3つ以内にする

一般に花色を3つ以内にすると視覚的調和がとれるため、主役の花色を基準に、同系色または反対色で花色を3つ以内におさめましょう。

例えば、レッド、オレンジ、イエローなどの暖色系でまとめればエネルギッシュで明るい雰囲気を、ブルー、パープルなどの寒色系でまとめれば神秘的な雰囲気を演出できます。レッドとグリーン、イエローとブルーなどといった反対色を組み合わせると、互いを引き立て合い、鮮やかになります。同系色でグラデーションを作るのも装飾効果が高く素敵な仕上がりになります。

②植物の数は奇数にする

ロープランターなど、口径が広いコンテナの場合、2種や4種ではなく、3種や5種の植物を植え込むことで全体にまとまりがでます

③高さと生長の向きでバランスを取る

STEP2のデザインの説明で、植物の高低差について触れました。よって、ここでは、高・中・低を意識した植物選びが大切です。また、植物には上・下・横向きなど、生長の向きに特徴が出るものもあるため、全体にまとまりを持たせるために購入時に意識したい点でもあります。

④カラーリーフプランツを使う

主役やサポート役の植物を引き立てるカラーリーフプランツ(色のついた葉)を使って、隙間を埋めたり、垂れ下がる植物でコンテナのふちを覆えば、よりデザイン性高い寄せ植えにできます。

STEP5, コンテナに土を入れる

コンテナの底に、鉢底ネットを敷き、 鉢底石を底から2cmほど入れます。次に、 1/3程度の高さまで土を入れる。

STEP6, 苗の配置を決める

ポットに入った状態の苗を、先ほどのコンテナの土の上に仮置きします。 このとき、レイアウトと苗の高さを調節します。(ドーム型か花壇型デザインを参考にしましょう。)

STEP7, 苗を植え付ける

レイアウトと高さが決まったら、ポットから苗を出し、根についた土を軽くほぐします。デザインの植え付け手順に沿って、背の高い植物から順に植え付けを開始します。

STEP8, 植物の間に土を足す

苗を植え付けたら、植物の間に隙間ができないように土を入れていきます。(※すり切りまで入れずに水を入れるスペースを1~2cmほど残す。) 最後に、土を軽く押すようにして、土の表面をなだらかにする。

STEP9, 水を与えて完成

鉢底から水が流れ出るまで水をたっぷりと水を与える。その後の手入れと管理は、Lesson3-2の「コンテナガーデニングの植え付けと管理」を参考にしましょう。

 

寄せ植えでは、多年草、一年草、そして樹木など、それぞれ生長の期間が異なる植物を使用することもままあります。これにより、寄せ植えを楽しめる期間も異なりますが、例えば、一年草だけを新しい季節のものに植え替え、新しい寄せ植えとして楽しむことも可能ですから、ぜひ、四季折々の寄せ植えに挑戦してみたいものです。