Lesson1-1 ガーデニングを始める前に

ガーデナーとして必要な資質

ガーデニングを始めるきっかけは、フラワーショップの店先で出会った可愛らしい花やプレゼントされた鉢花など、ささやかな出来事がきっかけという人がいれば、夢のマイホームを購入して庭いっぱいの花に囲まれた生活がしたいなど、人それぞれです。

そうした中、ガーデニングを始めるあなたは今後、大輪の花を咲かせる度に喜びを感じ、理想のお庭を造り、多くの人に褒められることでしょう。ですが、ガーデニングの魅力はこうした結果だけでなく、育てる過程で穏やかな気持ちを運んでくれるところにあります。

植物を”命のある生き物”として捉え、植物の様子を見ながら水やりや植え替えをする過程で、自分自身がとてもやさしく、穏やかな気持ちになっていることに気づく。

その気持ちに気がついたときあなたはもうプロのガーデナーとしての道を歩み始めているも同然です。

そして、その穏やかな気持ちこそがガーデナーとして必要な資質なのです。

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植物との相性を知る

「ちゃんと水やりしてるのに枯れてしまった…」「日が当たる風通しの良い場所なのに上手に育たない…」というような経験によって、「やっぱり私にはガーデニングは向かないかも…」と挫折する人がいますが、ここであきらめてはいけません。

ガーデニングは、花や植物との”出会い”と適切な”つき合い方”さえ分かれば、誰にでもできる易しいものです。今まではただ、相性の良い植物との出会いやつき合い方を学ぶ機会がなかっただけ。

人それぞれ性格があるように、植物にも多彩な性格があります。毎日決まった時間に水やりができる人なら水が大好きな植物が、気づいたときにしか水やりをしないものぐさな人なら放っておいても元気な植物が釣り合う。

さらに、大勢と広く浅くつき合う人間関係を好む人もいれば、一人と狭く深くつき合う人間関係を好む人がいるように、植物とのつき合い方もさまざまです。ですから、ガーデニングは出会いだと思って、長い目で見て取組む姿勢もガーデナーとして必要な資質の一つになります。

ガーデニングは空間作りから

”ガーデニング”と聞くと大抵の人が「うちには庭がないからできない」や「草木を植え付けるほどのスペースはない」といったように、ガーデニングを始められない理由にスペースの問題を挙げることがありますが、はたしてそうでしょうか。

最近は、ガーデニングのほとんどがコンテナを用いたものです。玄関横のスペースやベランダに置いたり、それでもなければ、ベランダの格子や壁を利用して吊るすなど、空間を上手に活用してガーデニングにいそしむ人が多いのです。

コンテナガーデンの代表的なスタイルとして定着した寄せ植えも、ひと鉢分の空間さえあれば十分実行可能です。幸いにも、そうした住空間を考慮したガーデニンググッズも進化を遂げて、誰もがガーデニングを楽しめるようになりました。

ですから、ガーデニングを断念する前に、空間を作り出すところからはじめる思考とそれを広めることもガーデナーの役割として大切なのです。

ストレスをためない

ガーデニングには心を癒す効果があると言われています。実際、ガーデンセラピーといったストレスを解放する治療法も存在するほどです。ガーデンセラピーについては、講座の後編で詳しくご説明します。

ここで知っていただきたいのは、日常生活で生まれる不安や緊張がガーデニングをすることで解消できず、ストレスばかりが溜まっていくようなら、それはガーデニングのやり方に間違いがあるかもしれないということ。

注意したいのは、自分のキャパシティを超えないことです。ガーデニングは仕事同様、扱える量や内容によって「できる・できない」があります。そのため、自分の身の丈に合わない植物の面倒を見るのはかえってストレスを溜め込みます。

そのことを十分に理解した上で、あなたにとって心地の良いガーデニングを行いましょう。